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弱視の立場から見た鉄道 〜駅や車両について思うこと〜


●目次
0、はじめに

1、駅構内編
  1−1、点字ブロック
  1−2、運賃表
  1−3、自動券売機
  1−4、ストアードファアシステム
  1−5、階段
  1−6、時刻表
  1−7、(順次追加します)

2、車両編
  2−1、(順次追加します)

0、はじめに
 ここでは、弱視者の立場から現在の駅や車両について思うことを書いて みたいと思います。
 なるべく愚痴にならないようにしますので、よろしければお付き合いく ださい。

 ただし、私のような見え方をしている人が基準として書いているので、 すべての弱視者に通ずることとは限らないことを始めにお断りしておきます。

1、駅構内編
 まずは、駅の設備について考えてみたいと思います。

 1−1、点字ブロック
 駅にある、視覚障害者用の設備といって最初に思い付くのは「点字ブロ ック」ではないでしょうか?
 これは、別に駅に限った設備ではないですが、一番目に付きやすいとい うことで。

 本題に入る前に、マメ知識を。
 点字ブロックって大きく2種類あるのをご存知ですか?
 ブロック上の出っ張りが 「帯」 のものと 「点」 のものです。もちろんそれぞれにちゃんと意味があります。
  「帯」 ・・・これを伝って真っ直ぐ歩くためのもの。廊下や歩道のあるのがこれです。
  「点」 ・・・注意を促すためのもの。点字ブロックの曲り角・分岐点や横断歩道の手 前(道路の端)など危険な場所などにあります。
 そして、これらを伝って歩く方法としては、直接ブロックの上を歩く方 法と白杖で出っ張りを見つけながら(横から軽くたたくように)ブロックの横 を歩く方法があります。

 では、駅構内ではどういう風に使われているのでしょう。
 ホームの橋にあるのは 「点」 です。ホームの長手方向に連なっているのでそれを伝って歩くためにあるよう にも見えますが、どちらかというと「それ以上行くとホームの端だよ」という ことを知らせる意味合いが強いのです。
 次に、ホームから改札へ向かうのは 「帯」 です。これは改札へ向かって通路を進んでいくので 「帯」 です。もちろん、分岐点や曲り角は 「点」 です。
 昔、TVでやってたのですが、点字ブロックを伝って改札口へ行くとそ この通路はいつも閉まっている駅があるという問題を指摘していました。弱視 ならまだ少しは見えるので空いてる通路を見つけることも出きるでしょうが、 全盲の人の場合は途方に暮れてしまうでしょう。(人が歩く音でわかる場合も ありますが)
 大都市近郊では、自動改札化が進んでおり、点字ブロックは有人改札へ 行くようになっているのでこのような事は無くなりましたが、地方へ行くとい まだにあるのではないでしょうか。
 いつも開いている通路の方へ点字ブロックを向けてやるだけのことなん ですから、是非とも改良して欲しいところです。

 あとは、デザイン上の都合なんでしょうけど、幅が半分の点字ブロック を見かけます。また、出っ張りが少ないもの(擦り減ってる場合もある)なん かもあります。これらは、伝って歩くのにすごく不便です。特に出っ張りが少 ないものは白杖で捉えにくく進路を見失いやすくなります。標準サイズ(正方 形の黄色いやつ)のものが一番わかりやすいです。
 駅とは関係ないですが、歩道なんかでレンガ模様のがたまにありますが、 これって最悪です。歩道中が細かい溝だらけで、白杖で伝う場合、レンガの継 ぎ目なのか点字ブロックの出っ張りなのかの判断が非常につきづらいです。お しゃれなのは分かるんですけど・・・。

 色について。
 弱視者にしてみれば、床の色とブロックの色をコントラスト差をつけて あった方が見つけやすくてよいです。「見えない人」が使うと思ってるから色 は気にしていないんでしょうね。



 1−2、運賃表
 そう、券売機の上にある運賃表です。
 思うんですけど、あれって視力0.3くらいないと見えないんじゃないですかね。

 最近では、点字の運賃表を設置するところも増えてきたようです。西武 鉄道の場合は、全駅(多分)に設置されていますし、点字ブロックを伝ってく るとその点字運賃表にたどり着くようになっています。

 しかし、視覚障害者が全員点字を読めるわけじゃないんです。ちゃんと したデータがあるわけじゃないですが、読めない人の割合は結構高いと思いま す。Classyも読めません。また、その必要性もあまり感じていません。 なぜなら、点字をマスターしても限られた人としかコミュニケーションは取れ ません。普段接しているほとんどの人が点字なんて読めないんですから。

 話を元に戻しましょう。
 実際、点字運賃表が弱視者に対してどれほど役に立っているのかCla ssyは疑問を感じます。どちらかといえば、券売機と同じ高さに運賃表があ った方がよほどいいのではないかと思うのです。弱視者だけでなく、近眼の人 やお年寄りにも便利ではないでしょうか?
 かといって、上にある運賃表の内容すべてを下に持ってくるには大きな スペースが必要になってしまうので、ある程度絞った内容でいいと思います。



 1−3、自動券売機
 運賃表の次は券売機です。
 最近の券売機は、ボタンに金額が赤いLED(発光ダイオード)で表示 される物が多いです。これだと運賃改定のときにいちいち金額のシールを張り 替えたり、乗り換え切符のために別にボタンを作らなくてすむのでほとんどこ のタイプになっています。
 しかし、このタイプのは新品のときは明るくて見やすいのですが、時間 が経つに連れてだんだん暗くなってきて、ひどいとほとんど見えない(Cla ssyにとっては)までになってしまいます。そうなると、とりあえず初乗り 区間を買って降りるときに精算するとかしなければなりません。
 まぁ、ごく最近のタイプ(傾斜しているやつが多い)だとこのような事 はあまりないようです。(今のところは)

 一時期話題になったJR東日本のタッチパネル式の券売機ですが、これ は券売機に銀行の支払い機のように液晶画面がついていて、金額のところを触 れると切符が買えるという代物です。
 この券売機が登場したとき、視覚障害者の団体から「使えない」という クレームがついたことをご記憶の方も多いのではないでしょうか?
 今までのように、ボタンのところに点字テープが張れないから視覚障害 者には使えないというのです。しかしこれは偏った意見だとClassyは思っ ています。
 確かに全盲の人には使えないでしょう。ですから、10キーをつけるこ とで解決をしました。ですが、弱視者にとってはかなり使いやすいのではない かと思っています。白い画面に黒いボタンが表示され、その中に白い数字が書 いてあり、しかも文字が結構大きいです。つまりコントラスト差が大きいので す。弱視者にはかなりありがたい存在だと思っています。
 しかし、視覚障害者にはまったく使えないが如く言われていました。常 に視覚障害者という枠でしか話をしないからこういうおかしな意見が出るので はないでしょうか?
 このタイプの券売機が導入中止にならなくてよかったと思っています。 そして、他社でも導入されることを期待しています。



 1−4、ストアードフェアシステム
 難しい名前ですが、「自動改札に通せるプリペイドカード」のことです。
 最近では、複数の会社線で共通に利用できるものもあり、結構便利にな ってきました。
 このシステムは、弱視者にとっても結構便利な代物です。駅で、運賃表 が見えないとか券売機のボタンが見えないとか悩む必要が無いですし、とりあ えず初乗り買って、着駅で精算する手間もないですからね。

 まえに 「Seibu Topics」 に書きましたが、営団・都営地下鉄を中心に乗り入れ各社で共通に使えるカー ドを作る動きがあるそうで、とても期待しています。これが出来れば、大阪の 阪急・阪神・地下鉄・市バス・北急・能勢電で共通のカードに匹敵する便利さ になるでしょう。



 1−5、階段
 ちょっと専門的な話に傾いてきたので少し戻して、今回は「階段」です。
 基本的に、駅に階段は付き物です。しかし、この階段が弱視者にとって は曲者であります。
 駅の階段はたいてい石(花崗岩だったかな?)で出来ていて、見た目も 耐久性もそれなりにいいんですけど、コントラスト差がないので段差が見づら い。
 登りはともかくとして、降りは非常につらい(恐い)です。

 で、滑り止めなんかをつけると、段の境目がはっきりしてよいです。た だ、耐久性やメンテナンスのことを考えるとあまり実用的でないようです。
 そんな問題を解決しているのが、地元 東久留米駅の階段です。ここの 階段は、各段が2ブロックで出来ていて、本体は白っぽい石で、縁の方は黒っ ぽい石で出来ていて、コントラスト差も高く非常によいです。ただ、最近は土 埃で汚れてきており全体が茶色っぽくなってコントラスト差が落ちてしまって いるのが残念です。



 1−6、時刻表
 ホームにある時刻表です。
 昔は、ホームの屋根からぶら下がっていて、しかも運賃表よりも小さい 字で発車時刻が書いてあって、さらに小さな記号がごちゃごちゃとついていて、 不親切極まるものでした。
 ですが最近では、路線図や駅名標(駅名や隣の駅名が書いてあるやつ) とセットになって、総合案内板といった感じでホームに建てられるようになり ました。これによって、時刻表が目の高さに降りてきたので、字の大きさは変 わらなくても、近づいてみれるのでだいぶ便利になったと思います。文字のサ イズを大きくする(=時刻表も大きくなる)のは、場所の問題などから現実的 ではないのでこの状態が最善といえるでしょう。


 近日追加予定




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